去る10月19日Kさんが住んでいるGHへIさんのご家族(お母様、お姉様)と一緒に見学に行きました。No.6でもお伝えした通り、とても賑やかな同窓会になりました。
Kさんは、すぐにIさんの隣に座り、Iさんは「Kさん!」と大きな声で呼んでいました。会話をすることはありませんが、お互いに“落ち着いた”空気感があり、「落ち着いてるように見えるね。やっぱり一緒にいたからよね。」とお母様も微笑ましく見守っていらっしゃいました。
にじの木さんの家庭的な雰囲気を感じ、GH管理者の思いを聞き、お母様とお姉さまは安心されたようでした。Iさんはリラックスした様子で美味しいドーナツを食べながら、団らんを楽しまれていました。
泰山寮に戻り、ご家族とIさんと話し合いをしました。
「にじの木、どうでしたか?」
「楽しかった!」
「また、行く?」
「行く!」
「にじの木に泊まりに行ってみますか?」
「・・・。行く。行かない。行く。行かない。」
迷っているようでした。
「一緒に行きますか?」
「行かない。」
「行かないの?」
「行かない。泰山寮に戻ってくる!泰山寮に戻ってくる!」
Iさんは、養護学校を卒業後すぐに泰山寮に入所されました。他事業所に通った経験もあるようですが、36年間のほとんどは泰山寮で過ごした経験しかありません。ここでお母様が教えてくださったのは、自宅に帰ったとき、泰山寮に戻るかと聞くと「泰山寮にいく。」といつも答えられていたそうです。Iさんの中では、泰山寮は大きな存在です。とても有難いことですが、私達はあらゆる場面で意思の確認をする必要があります。決めるのは、Iさんです。ただ、「決めることはそれまでの経験がもとになります。
私達は、これからIさんの個別性を踏まえ、経験を広げていきます。そして、Iさんがどこでどんな風に暮らしたいのかを教えてもらおうと思います。