回想法の取り組み

回想法の活動を紹介しています

こちらでは当施設が取り組んでいる回想法の活動を紹介しています。

右では動画で内覧会の思い出を公開しています。

※音声が出ます。

2016/10/20 3グループ合同回想法
第8回目は「思い出の味」について語り合いました。先回、糠漬けの作り方の話しで盛り上がったため、皆さんの教えを基に糠床を作り、さっそくキュウリとナスを皆さんと共に漬け込みました。「ナスは、手に塩を付けてもんで入れるのよ。」[まな板の上に塩をまいといて、ごろごろ手で転がすように擦るのよ。]「ナスは切らなくてもそのまま入れればいいのよ。」「キュウリよりも長くつけとくと味が染みるわよ。」と皆さん。先に付け込んであった、キュウリときのこの糠漬けをお茶と一緒にいただきながら、久しぶりの糠漬けについての話に花が咲きました。糠床の真ん中に穴を開けておくと、そこに水が溜まるから、日本手ぬぐいや布で吸い出して、余分な水分を抜くこと。柿の皮を干して入れると甘くなること。みかんの皮を干して入れると、匂いが気にならなくなること。水を入れると酸っぱくなって、使えなくなること。塩加減は、その時付ける物で調整すること。だし昆布を入れると糠床の味がよくなる上、その昆布の味が格別であることなど、様々な知恵を頂きました。「だって、昔は貧乏だったから、糠床は大切だったのよ。おかずはそれしかなかったもの。お皿に色んな野菜の糠漬けを盛り合わせて、家族みんなで突っついて食べたの。」と語る皆さん。まるで、その頃の情景が浮かぶようで、とても勉強になりました。来週も楽しみです。
2016/10/12 3グループ合同回想法
第7回目は、皆さんで足湯をしながら、「旅行の思い出」について語り合いました。金だらいを囲みながら、いつもより距離を近づけて足と足を触れ合わせるうちに、「あんたの足は綺麗だね、真っ白でピカピカしてるね。」「あなたの足は細くて綺麗ね。若い足ね。」「この人の足は太いわね。」「あら、私も昔は80㎏位体重があって、このくらい太かったわよ。」「あのひと足は太いけど、いい顔しているね。見てるとホッとする。」「あなたの足が太いおかげで、私の足が細く見えるわ。」と、足の話になり、一人一人が嫌な思いをすることなく、皆でかばい合いながら、笑いへと変化させていく様子が、何とも微笑ましく印象的でした。初回のころは警戒して、誰かの事をけなすシーンもありましたが、今ではそれもなくなり、お互いの人となりが分かってきたのか、少しずつ一体感が出てきたようです。また、パーキンソンの症状が顕著であり、いつもは訴えの多いAさんも、体が温まったことで、笑顔が増え、初恋の話しについて語りだしました。「20歳くらいにずっと文通していた人がいて、一緒になりたいと思ったけど、静岡に住んでいて遠いからと親に反対されてね、私怒れてきたから、3日間部屋にこもって出ていかんかったわ。」その話を受けて、「へぇ~、それは悲しかったわね。でも、反抗したのは良かったわね。気持ちわかるわ。よーやった。」とBさん。「いいわね。素敵な恋をしたのね。」とCさん。いつもなら、訴えの多いAさんに対し、批判的な方も含め、この時はみんなでAさんの初恋の話に聞き入り、共有し合いました。後半の回想法が楽しみです。
2016/10/4 3グループ合同回想法
「今日は思い出の会だから、早く支度するよ。ほら、靴下はいてね。」日ごろから同じグループのBさんを軽視し、相手にしなかったAさん。回想法も6回目となり、相手の人となりが理解できるようになってきたのか、近ごろでは、時間の前になると、決まってBさんに声を掛け、積極的に関わる様子が見られるようになりました。このように、良い形での関係の変化が起こるのも、回想法の楽しみの一つであります。グループでは、少しずつメンバーの一体感が出てきました。今後の関係の変化に期待したいところです。さて、今回のテーマは、「学校の思い出」。先回に引き続き、かけっこでは一番だった人や、唱歌の時間に歌う事が大好きだった人、かけっこはドベだったが、習字では金賞を何回もとるほど字がうまかった人など、人によって得意な科目も様々。また、そのころは勉強が嫌いだったけど、今思うと楽しかったこと。男の子に混じって、暗くなるまで遊んだこと。学校の帰り道には、口の周りを紫にして桑の実を食べたことや、馬車の後ろに乗せてもらったけど、タイヤにゴムが付いていなかったので、ガタゴトいうたびにお尻が痛かったことなど、まるで昨日のことのように思い出される色鮮やかな情景を、楽しく語り合い、皆で共有することができました。来週も楽しみです。
2016/09/28 3グループ合同回想法
第5回目のテーマは「運動会の思い出」でした。始めに話題に挙がってきたのは、「運動会」でした。赤白帽とハチマキを手渡すと、「これをつけると気合が入ったのよね。」「あ~これ!よく巻いたわ。」と、みなさん懐かしむ様子が見られました。その後、競技の話題になると、「小さい頃は足が速くて、かけっこでは誰にも負けなかった。」と自信を持って話してくださる方もいれば、「背が低かったから、玉入れでは苦労したのよ。当時は苦労したけれど、今では笑い話。」と笑顔で話してくださる方もいました。また運動会のお弁当の話になると、おにぎりの具材について盛り上がりました。「梅干しが入ってた!」と1人の方が話すと、周りの方も、「そうそう、私の家も入ってた!」「うちはうーんとすっぱい梅干しが入ってた!」とみんなで話題を共有する場面も見られました。するとある方がぽそっと「こんな話をしていたら、お腹すいてきちゃったわ。」言い、みなさんもその言葉に納得したのか、うんうんと、大きくうなずいていました。このあとの夕御飯が楽しみですね(^^♪)今回も一緒に楽しい時間を過ごすことができました。みなさん、ありがとうございました。次回はどんな思い出話に花が咲くのでしょうか。楽しみです!!!
2016/09/21 3グループ合同回想法
第4回目のテーマは「お手伝いの思い出」でした。日本手ぬぐいを手渡すと、「これはこうして頭にまくの。姉さん縛りと言うのよ。」と、入居者の皆さん。スタッフも手ほどきを受けながら、一緒に頭に巻きつけ、昔のお手伝いについての話に、花を咲かせました。まずは、茶摘みのお話から…。上手な茶摘みは、木を傷めないように、左手で木の軸を持って、右手で摘むのだとか…。一緒にみんなで身振り手振り、お茶を摘む動作をしながら、「茶摘みの歌」を歌いました。その後、井戸の話から洗濯の思い出となり、「昔は農家の仕事で手が汚れて、爪が真っ黒になって、学校へ行くときみんなに見られるのが恥ずかしかったの。でもお洗濯をするとね、手がきれいになるから、喜んで手伝ったのよ。」と、懐かしそうに語られる方、洗濯板の使い方を丁寧に説明してくださる方、また、「洗濯の石鹸なんて、売っていなかったから、みかんの皮を干して、袋に入れて、それをふやかして石鹸の代わりにしたの。」と語られる方、石鹸は富山の薬売りから買ったという方など、みなさんの様々なエピソードを聞かせていただきました。また、お風呂の話になると、昔はシャンプーなんて無かったから、椿の油粕を布袋に入れて、熱湯をかけ、そのお湯に水を足してちょうど良い温度にした後、それを使って頭を洗ったことや、お風呂は長男、次男から入り、父が入った後に女が入ったことなど、一人ひとりの思い出話をみんなで共有しました。さらに、様々な道具についても使い方を教えていただき、今では考えもつかないような生活の知恵について学ばせていただきました。最後に、懐かしい短切飴を、おいしいお茶と共にいただきながら、楽しい時間を過ごしました。みなさん、どうも有り難うございました。

回想法とは?

回想法は1960年代にアメリカの精神科医である、ロバート・バトラーによって創始された高齢者に対する心理療法です。

精神状態を安定させる効果があるといわれています。 過去の懐かしい思い出を言葉に出して話すと、脳が刺激されて、気持ちが落ち着くようになるそうです。
長く続けることで認知機能が徐々に改善されることがわかっています。